カタログNO_B095
きっかけ | HPより | 当社への連絡 | お電話 |
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引取方法 | お引き取り | 引取日 | 2001-06-26 |
依頼加工内容 | 工房での作業 | お預かり期間 | 20日間 |
納品方法 | 納品 | 納品日 | 2001-07-16 |
納品場所 | 東京都千代田区 EN邸() | ||
納品住所 | 東京都千代田区 | ||
ご注文回数 | 4 回|お客様リピート実例へ |
加工内容
椅子種類/分類1 | ロココ調小椅子/鼓バネなし |
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加工内容 | 張り替え |
数 量 | 4本 |
生地 | 布地 |
生地調達方法 | サンプル帳より購入 |
加工費 | ロココ調小椅子(鼓バネなし)張り替え加工費 20,000円/本(税抜)*総額表示義務付施行前 |
その他の費用 ご依頼条件にて異なる |
布地(マナトレーディング)代、送料(引き取り・納品代) ※加工費の他に上記の費用がかかりました |
作業内容の詳細 | ウレタン交換、布地はマナトレーディングのショールームにて決定 |
Before & After
ロココ調小椅子張り替え
HPをご覧いただき小椅子の張り替えのお問い合わせの件で直接お電話をいただきました。お問い合わせ当初は布地は支給していただくお話でしたが、椅子をお引取りにうかがった際に布地を見せていただきましたらカーテン地でした。カーテン地で張っても強度的に弱すぎるため、せっかく張り替えさせていただくので椅子張り用の布地をお選びいただき長期間に渡ってご使用いただきたいと考えました。お引取りうかがいますとクラシック調の彫刻のある小椅子が4脚ありました。そのうち2脚が肘付きで、他2脚が肘なしの椅子でした。張り替え加工費は1脚15,000円。座面の中身ウレタンはまだ使えそうですが、背もたれのウレタンが粉々になっていましたので、背もたれのウレタンは交換、座面のウレタンは補充という方法での張り替え加工とさせていただきます。
肘付きと肘なし
アームチェアが2脚とアームレスチェアが2脚の計4脚の小椅子で、座、背、肘の部分の仕上げに鋲を用いた、手の凝った小椅子です。しかし、”AZUMAのイス張り職人”としては自分の技能を思い切って出せるのでやる気が沸いてきます。中身はバネではなくウェービングテープを使用するタイプなので加工費も通常通りで済みました。
ロココ様式を意識した小椅子の場合、座や背などの縁は鋲を打って仕上げていることが多いようですが、EGさんの小椅子も例外ではなく鋲で仕上げてありました。このような小椅子は見た目以上に手間を要し、きれいに仕上げるには経験が必要です。
鋲打ち
張り地の縁を鋲で打って仕上げてありました。張り替え後も鋲打ちをして仕上げます。写真は座面の角と肘の部分の写真ですが、鋲打ちは最後の最後の仕上げで経験が浅いと手元が狂って木枠を傷つけてしまいます。
肘のついていない小椅子の前方角の拡大写真です。何とか写真でお分かりいただけるかもしれませんが、”AZUMAのイス張り替え”では鋲を打つときに表地に直接打つようなことはいたしません。”ヘリ”と呼んでいる3cm幅の共布を3つに織り込んで1cmとし、その”ヘリ”の上に鋲を打ちつけていくのです。そうすることによって鋲で表地や木枠を傷つけることを防いでいるのです。
肘のウレタンは粉々に崩れてしまっていましたので、肘用にウレタンを吟味して下ごしらえをしました(写真:中)。その上に張り地を被せて止め、最後に飾り鋲を打って仕上げます。しかし、肘に至っては張り替え前後の丸みの違いが写真でも良く分かりますね。
ReChair椅子張り職人の仕事
<作業風景>
布地に鋏で切込みを入れているところです。この切込みを失敗しますともうこの布地は使い物にならなくなってしまいます。それでも必要な場所に、必要なだけ、思い切って一度で切込みを入れていきます。